「Gemini CLIが使えなくなって、乗り換え先を探している」 「インストールしたらagyという短いコマンドが入った。ここから何をすればいい?」

この記事は、そんな方のためのGoogle Antigravity CLI入門ガイドです。npmを使わない独特のインストール方式から、起動コマンドagyの基本操作、無料枠の正しい理解、Gemini CLIからの移行手順まで、順番に解説します。

Antigravity CLIは2026年5月に一般提供が始まったばかりで、8月だけで3回バージョンアップが入るほど変化の速いツールです。そのぶんネット上の解説には、公式には存在しないnpmでのインストール手順や、公式が公開していない利用回数の数値が紛れ込んでいます。本記事の仕様・コマンドは、すべてGoogle公式ドキュメント・公式インストーラ・公式リポジトリの記載を直接確認したものに揃えました(2026年8月12日時点/Antigravity CLI v1.1.12)。

この記事で身につくこと
  • Antigravity CLIの正体とGemini CLIとの関係を説明できるようになる
  • OS別の正しいインストール手順(npmは使いません)
  • 起動コマンドagyの基本操作・3つの実行モード・スラッシュコマンド早見表
  • 無料枠の正しい理解(「使い放題」と書けない理由)
  • Gemini CLIからの移行で手動対応が必要な2箇所

Antigravity CLIとは?ターミナルで動くGoogleのAIエージェント

Antigravityの「ターミナル向けサーフェス」

Antigravity CLIとは、GoogleのAIコーディングエージェント「Antigravity」をターミナルから使うための公式ツールです。

公式ドキュメントでは「Antigravityの軽量なターミナルUI(TUI)サーフェス」と位置づけられています(出典:Antigravity公式ドキュメント「CLI Overview」)。ターミナルでagyと打つと対話画面が開き、そこに依頼を書き込むとエージェントがファイルの読み書きやコマンド実行を進めていく、という使い方をします。

キーボード操作だけで完結する軽さが持ち味で、公式は「ターミナル中心のワークフローと、ヘッドレス実行(SSH先やリモートコンテナ内での利用)に向く」と整理しています。

AIコーディングエージェントというジャンル自体が初めての方は、先にClaude Codeとは何かの解説で「エージェントに開発作業を任せる」という考え方をつかんでおくと、本記事も読みやすくなります。

Gemini CLIの後継。2026年6月18日に何が起きたか

Antigravity CLIは、Googleが提供していたGemini CLIの実質的な後継です。経緯を整理します。

  • 2026年5月19日:Antigravity CLIの一般提供開始。同日にGemini CLIからの移行が告知される
  • 2026年6月18日:Gemini CLIとGemini Code Assist IDE拡張が、Google AI Pro・Ultraおよび無料ユーザーへのリクエスト提供を終了

(出典:Google Developers Blog「An important update: Transitioning Gemini CLI to Antigravity CLI」)

例外として、Gemini Code Assist StandardまたはEnterpriseライセンスを持つ組織はGemini CLIを継続利用できます。個人ユーザーの乗り換え先がAntigravity CLIです。

なお「Gemini CLIは終了した」と一言で片づけられがちですが、正確にはリクエスト(AIへの問い合わせ)の提供が終わったという話で、GitHubリポジトリ自体は2026年8月12日時点でも更新が続いています。具体的な移行手順は記事の後半でまとめます。

4つのサーフェスの中での位置づけ【比較表】

Googleは現在、同じエージェント基盤の上に4つの製品を並べており、公式ブログでこれらを「サーフェス(surface)」と呼んでいます(出典:Google Cloud Blog「Choosing your surface」2026年6月10日)。公式に厳密な定義文はありませんが、「同じAIエージェントに触れるための窓口の形」と捉えると分かりやすいはずです。

サーフェス 形態 公式の整理する「向いている用途」
Antigravity 2.0 デスクトップアプリ 複数プロジェクトの同時進行。公式の「デフォルト推奨」
Antigravity CLI ターミナル(TUI) ターミナル作業・SSH・ヘッドレス実行
Antigravity IDE デスクトップアプリ(コードエディタ) コードを直接見ながら変更を1行ずつ承認
Antigravity SDK Pythonライブラリ 自作エージェントの開発

4つが同じエージェント基盤の上で動くことは公式が明言しており、どれを選んでも中身のAIは共通です。本記事はこのうちCLIだけを扱います。エディタ型のAntigravity IDEについてはAntigravity IDEの使い方で別途解説しています。

Go製バイナリ配布。npmではインストールできない

Gemini CLIはnpmで配布されるTypeScript製ツールでしたが、Antigravity CLIはGo言語で書かれた単体バイナリを専用インストーラで配置する方式に変わりました。公式も「速度のためにGoで構築した(Built in Go for speed)」と説明しています。Node.jsなどのランタイムを事前に用意する必要はありません。

npmでのインストール手順は誤り

公式のインストール手順にnpmは一切登場しません(2026年8月時点)。npm install -gでAntigravity CLIを導入する手順を載せた解説記事が存在しますが、公式ドキュメント・公式リポジトリのどこにもない手順です。次章の公式インストーラを使ってください。

更新ペースも速く、直近では8月3日(v1.1.10)・8月7日(v1.1.11・Vimエディタモード追加)・8月11日(v1.1.12)と、8月だけで3回のリリースが出ています(公式changelogで確認)。本記事はv1.1.12までの情報で書いています。

【前提】料金と、CLIでの残り枠の確認方法

無料プラン($0)から使えるが「使い放題」ではない

Antigravityの料金ページには、個人向けの無料プラン「For Individuals $0/month」が明記されています。CLIは特定プラン限定の機能ではなく、公式のプラン解説ページでも「Scheduled TasksやCLIを含むすべての製品機能へのアクセス」が全プラン共通の内容として挙げられています(出典:Antigravity公式「Plans」)。

ただし無制限ではありません。無料プランの内訳には「Unlimited Tab completions(タブ補完は無制限)」と並んで「Basic weekly rate limits(基本的な週次レート上限)」という一行があり、エージェントへの依頼には週単位の上限がかかります。上位のGoogle AI Pro/Ultraでは上限が緩和されますが、Proの公式説明は「週次上限に達するまで5時間ごとに補充」で、有料にしても週の上限そのものが消えるわけではありません。

「週◯回」「1日◯回」という数値は公式にない

上限の具体的な回数・クレジット数を、Googleは公開していません(2026年8月12日時点で公式の料金ページ・プランページ・ドキュメントを確認)。ネット上で見かける「1日◯リクエストまで」といった数値は、公式ソースに存在しない情報です。また公式は「利用上限は変更されることがある(Usage limits for this service are subject to modification.)」とも明記しています。

Claude Codeが有料アカウント前提なのに対し、$0から試せるのはAntigravityの分かりやすい強みです。両者の費用感を比べたい方はClaude Codeの料金プランをどうぞ。

残り枠はCLIの中で確認できる

上限の数値が公開されていない以上、自分がいまどれだけ使えるかは実際の表示で確かめるしかありません。Antigravity CLIには、そのための表示とコマンドが用意されています(出典:Antigravity公式ドキュメント「Credits」)。

確認方法 公式ドキュメントの説明
ステータスライン右側 残りのクレジット数を常時表示(公式の表記例は「AI Credits: 42」)
ステータスラインのハイライト 残クレジットが警告しきい値を下回ると、表示がハイライトされて知らせる
/credits クレジット専用パネルを開き、消費状況の詳細を表示
/usage(別名/quota モデルごとのクォータを確認する「Model Quotas」コマンド

ステータスラインは常に目に入る位置なので、普段はここだけ気にしておけば足ります。内訳まで見たいときに/credits、モデル別の消費を見たいときに/usage、という使い分けです。

ただし警告が出るしきい値の具体的な数値は、公式ドキュメントに記載がありません。プラン別の上限値と同じく、公開されていないものとして扱ってください。

クレジットの使い方そのものは、設定ファイル(~/.gemini/antigravity-cli/settings.json)のuseG1Credits、またはセッション内の/config/settings)にある「Use G1 Credits」項目で切り替えられます。プランの基本クォータを使い切ったあとに購入済みのAIクレジットを使うかどうかの設定で、公式のプラン解説ページによれば、この上乗せ利用ができるのはGoogle AI Pro/Ultraのユーザーです。

使えるモデルと、公式内で食い違っている点

公式のモデル一覧ページには次のモデルが並んでいます(2026年8月時点)。

  • Gemini 3.6 Flash/Gemini 3.5 Flash/Gemini 3.1 Pro
  • Claude Sonnet 4.6 (thinking)/Claude Opus 4.6 (thinking)
  • GPT-OSS-120b

GoogleのツールでClaudeやGPT系モデルを選べるのは面白いところですが、注意点が2つあります。

1つ目、Enterprise(法人)プランではClaude系とGPT-OSS-120bが非対応と一覧表に明記されています。2つ目、無料プランでClaudeが使えるかどうかは、公式内で記述が一致していません。モデル一覧表では無料プランでも選択可能とされている一方、プラン解説ページはサードパーティモデルへのアクセスをGoogle AI Ultraの特典として挙げています。本記事ではどちらとも断定しません。実際に選べるかは、自分のアカウントのモデル選択画面(CLIなら/model)で確認してください。

モデルの指定はセッション内の/model、起動時の--modelフラグで行い、選べるモデルの一覧はagy modelsで確認できます。

データ収集とオプトアウト

公式リポジトリのREADMEには、Antigravity CLIの利用によって「製品改善のためにGoogleがインタラクションデータを収集・利用することに同意する。設定からいつでもオプトアウトできる」という趣旨の記載があります。既定で収集に同意する形になるため、業務のコードで使う方は設定パネルのテレメトリー設定を確認しておきましょう。

同じREADMEには「AIコーディングエージェントには自律的なコード実行・データ流出・プロンプトインジェクション・サプライチェーンといったセキュリティリスクがある。エージェントの行動をすべて監視・確認すること」という警告も明記されています。便利さと引き換えのリスクをGoogle自身が認めている点は、覚えておいて損がありません。

Antigravity CLIのインストール手順【OS別】

インストールは、ターミナルに公式のコマンドを1行貼り付ける方式です。OSごとに次の3種類が案内されています(出典:Antigravity公式ドキュメント「Install」およびダウンロードページ)。

macOS/Linux

curl -fsSL https://antigravity.google/cli/install.sh | bash

対応アーキテクチャはx86_64(amd64)とarm64(Apple Silicon含む)です。Alpine Linuxのようなmuslベースの環境では、インストーラがmusl libcを自動判定して専用ビルドを取得します。

Windows(PowerShell/コマンドプロンプト)

PowerShellの場合:

irm https://antigravity.google/cli/install.ps1 | iex

コマンドプロンプト(CMD)の場合:

curl -fsSL https://antigravity.google/cli/install.cmd -o install.cmd && install.cmd && del install.cmd

Homebrewでも導入できる(macOS・補足)

公式サイトには載っていないが、caskの配布元はGoogle

macOS向けにはHomebrewの公式cask「antigravity-cli」が登録されており、brew install --cask antigravity-cliで導入できます。Antigravity公式サイトにこの方法の案内はありませんが、caskの配布元はGoogle自身のドメイン(storage.googleapis.com)で、バージョンも公式ダウンロードページと一致していることを確認済みです(2026年8月12日時点・v1.1.12)。対応はmacOS 12以上です。公式が推奨する導入方法ではない点だけ留意してください。

どこに何がインストールされるのか

公式インストーラ(install.sh/install.ps1)の中身を読むと、バイナリの配置先は次のとおりです。

OS 配置先
macOS/Linux ~/.local/bin/agy
Windows %LOCALAPPDATA%\agy\bin\agy.exe(通常はC:\Users\ユーザー名\AppData\Local\agy\bin\agy.exe

インストーラはダウンロードしたファイルをSHA512チェックサムで検証し、マニフェストと一致しない場合は「Security Halt」としてインストールを中断する作りになっています。配布物のすり替えに対する防御が入っている、ということです。

インストール後は、CLI自身がバックグラウンドで自動アップデートされます(公式インストーラに明記)。自動更新を止めたい場合は環境変数AGY_CLI_DISABLE_AUTO_UPDATE=trueを設定します。

再インストールしたいとき

導入済みの環境でインストーラを再実行しても、何もせずに終了します。入れ直したい場合は、先に上記の場所のバイナリを削除してからインストーラを実行してください(公式インストーラに明記された仕様です)。

「agy: command not found」になったら

インストール直後にagyが見つからないと言われる場合、配置先がシェルのPATHに入っていないのが典型的な原因です。macOS/Linuxでは、公式のトラブルシューティングが案内しているとおり、シェルの設定ファイルにPATHを追記します。

# ~/.bashrc または ~/.zshrc に追記
export PATH="$HOME/.local/bin:$PATH"

追記したらsource ~/.zshrc(bashならsource ~/.bashrc)で読み込み直してください。なお公式がPATH追記の手順を案内しているのはmacOS/Linux向けのみです。Windowsの場合は、開いているターミナルをいったん閉じて新しいウィンドウで試すのが先決です(環境変数の変更が起動済みのウィンドウに反映されないのはWindows全般の挙動で、Antigravity CLI固有の公式手順ではありません)。

初回起動とGoogleアカウント認証

インストールが済んだらagyを実行します。公式ドキュメントによれば、ローカルPCでの初回起動時は既定のブラウザが自動で開き、Googleアカウントでログインする流れです。認証情報はOSのセキュアなキーリング(資格情報の保管庫)に保存されます。

SSH接続先などブラウザを開けない環境では、公式ドキュメントによれば手動でのURLループになります。CLIがSSH環境を検知して認証用URLを表示するので、それを手元のブラウザにコピーしてサインインし、表示された英数字のコードをSSH側の端末に貼り戻す、という流れです。サインアウトはセッション内の/logoutです。

agyコマンドの基本操作

起動・バージョン確認・終了

agy            # 対話画面(TUI)を起動
agy --version  # インストールされたバージョンを確認

終了はセッション内の/exit、またはキー操作のCtrl+Dです。

起動したら、プロンプト欄に依頼を書いてEnterで送信します。既定の実行モード(後述のdefault)は、公式ドキュメントによれば「ファイルを変更・作成する前に一時停止し、対話形式で差分をレビューする」仕様です。エージェントの提案がいきなり反映される形ではない設計になっています。

入力の小技

公式ドキュメント「Using the CLI」に記載されている入力操作をまとめます。

操作 働き
@ ファイル・フォルダのパスを補完入力
行頭の! ターミナルコマンドをそのまま実行
? ヘルプの表示
escを2回 入力中のプロンプトをクリア
Shift+Tab 実行モードの切り替え
Ctrl+G エディタを起動(長い指示を書くとき)
Ctrl+D 終了

3つの実行モードとShift+Tab

エージェントにどこまで自動で作業させるかは「実行モード」で決まります(出典:Antigravity公式ドキュメント「Modes」)。

モード 動き
default ファイルの変更・作成の前に一時停止し、差分を対話形式でレビュー
accept-edits ファイルの編集・作成(フォルダ作成・書き込みなど)を自動承認
plan コードを書く前に手順を分析・整理する/plan指示を自動で先頭に付与

セッション中はShift+Tabでdefault→accept-edits→plan→defaultの順に切り替わります。起動時に指定したい場合はagy --mode=accept-editsのようにフラグで、常に固定したい場合は設定ファイル(~/.gemini/antigravity-cli/settings.json)に"agentMode": "accept-edits"と書きます。

旧バージョンの既知バグ

v1.1.11以前には、後述のヘッドレス実行(-p)で--mode指定が無視されるバグがありました。v1.1.12(2026年8月11日)で修正済みと公式changelogに記載されています。自動アップデートが効いていれば通常は最新になっていますが、挙動がおかしいときはagy --versionを確認してください。

スラッシュコマンド早見表

セッション内で使えるスラッシュコマンドは、公式リファレンスでカテゴリ別に整理されています。主要なものを一覧にします。

カテゴリ コマンド
会話管理 /clear(別名/new)・/resume/switch)・/fork/branch)・/rewind/undo)・/rename <名前>
設定 /config/settings)・/model/permissions/keybindings/statusline/planning/fast/title
利用状況 /usage/quota)・/credits
ツール・タスク /mcp/skills/hooks/agents/tasks/artifact
ユーティリティ /help/context/diff/copy/open <パス>/add-dir <パス>/btw <クエリ>/feedback
終了・アカウント /exit/quit)・/logout

Claude Codeを使ったことがある方なら、/model/permissions/mcpあたりの並びに既視感があるはずです。AIエージェントCLIの操作体系は、ツールをまたいでかなり似てきています。

ヘッドレスモード(agy -p)でスクリプトから使う

対話画面を開かず、1回のプロンプトだけ投げて結果を受け取り終了するのがヘッドレスモード(printモード)です。公式ドキュメントは「単一のプロンプトをエージェントに送り、応答をストリームまたは返却して終了する」動作と説明しています。

# 基本形:-p にプロンプトを渡す
agy -p "このリポジトリの構成を1文で要約して"

# JSONで受け取ってjqで加工
agy -p "package.jsonの依存関係を列挙して" --output-format json | jq

# モデルと推論の深さを指定
agy -p "リファクタ方針を提案して" --model gemini-3.5-flash-medium --effort high

フラグの一覧は次のとおりです(出典:Antigravity公式ドキュメント「Headless」のFlag reference)。

フラグ 既定値 働き
-p--print--prompt プロンプトを非対話で1回実行し、応答を出力して終了
--output-format text 出力形式。textjsonstream-json
--json-schema 構造化出力を強制するスキーマ(文字列またはファイルパス)
--model 使用モデルの指定(一覧はagy models
--effort 推論の深さ。lowmediumhigh
--agent 使用エージェントの指定(一覧はagy agents
-c--continue false 直近の会話を継続
--conversation IDを指定して過去の会話を再開
--dangerously-skip-permissions false ツールの許可要求をすべて自動承認
--print-timeout 5m 応答を待つ最大時間
--sandbox false ターミナルサンドボックスを有効にして実行

終了コードは成功時に0、失敗時は0以外+標準エラー出力という一般的な作法に従うため、シェルスクリプトやCIに組み込みやすい設計です。なおv1.1.12からはagy modelsagy agents--output-formatでのJSON出力に対応しました(公式changelogで確認)。

--dangerously-skip-permissions の扱い

名前のとおり、エージェントのあらゆるツール実行を無確認で通す危険なフラグです。使い捨てのコンテナなど、壊れても困らない隔離環境以外では使わないでください。公式READMEも、AIエージェントには自律的なコード実行やデータ流出のリスクがあると警告しています。

設定ファイルとルールファイルの置き場所

設定は今も~/.gemini/配下にある

Antigravity CLIの設定類は、Gemini CLI時代の名残で~/.gemini/フォルダ配下に置かれます。主なパスをまとめます(Windowsでは~%USERPROFILE%に読み替えてください)。

用途 パス
CLI本体の設定 ~/.gemini/antigravity-cli/settings.json
キーバインド ~/.gemini/antigravity-cli/keybindings.json
プラグイン ~/.gemini/antigravity-cli/plugins/
グローバルスキル ~/.gemini/antigravity-cli/skills/
MCP設定(全プロジェクト共通) ~/.gemini/config/mcp_config.json
MCP設定(プロジェクト単位) .agents/mcp_config.json
プロジェクトのスキル .agents/skills/
グローバルルール ~/.gemini/GEMINI.md

「Antigravityという名前なのに.geminiフォルダ?」と混乱しやすいのですが、公式ドキュメントに明記された現行仕様です。

ルールファイルはGEMINI.mdまたはAGENTS.md

エージェントに常に守らせたい前提(コーディング規約・テストコマンド・ディレクトリ構成など)は、ルールファイルに書いておきます。公式のベストプラクティスは次のように案内しています。

ワークスペースのルートにGEMINI.mdまたはAGENTS.mdファイルを作成し、ディレクトリの標準、スタイル方針、テストコマンドのパラメータ、非推奨事項を記述する (出典:Antigravity公式ドキュメント「CLI Best Practices」を和訳)

ポイントは、GEMINI.mdAGENTS.mdのどちらのファイル名でも公式にサポートされていることです。片方しか読まれないという解説を見かけたら、古いか不正確だと判断してください。ただし両方置いた場合にどちらが優先されるかは公式に記載がないため、実運用ではどちらか1つに寄せるのが無難です。全プロジェクト共通のルールは~/.gemini/GEMINI.mdに書き、プロジェクト固有のルールをファイル分割で管理したい場合は.agents/rulesディレクトリも使えます。

Claude Codeで使うCLAUDE.mdについては、Antigravityの公式ドキュメントに言及がありません(読まれるかどうかは未確認です。2026年8月時点)。Claude Codeなど複数のエージェントと併用する方は、当面AGENTS.md側に寄せておくと管理しやすいでしょう。

MCPサーバーの追加

外部ツールと連携するMCPにも対応しています。サーバー定義は専用のmcp_config.jsonに書きます(出典:Antigravity公式ドキュメント「CLI MCP」)。

{
  "mcpServers": {
    "sqlite-explorer": {
      "command": "node",
      "args": ["/usr/local/bin/sqlite-mcp-server.js"],
      "env": { "SQLITE_DB_PATH": "/var/data/app.db" }
    },
    "my-remote-server": {
      "serverUrl": "https://api.example.com/mcp/",
      "headers": { "Authorization": "Bearer YOUR_API_TOKEN" }
    }
  }
}

リモートサーバーのURLを指定するキーはserverUrlです。Gemini CLI時代のurlhttpUrlから変更されているため、設定を引き継ぐ場合は書き換えが必要です(詳細は次章)。接続状態の確認はセッション内の/mcpで行えます。

MCPという仕組み自体の解説はClaude CodeのMCP解説記事に詳しくまとめています。MCPは共通規格なので、考え方はそのままAntigravityにも通用します。

ターミナルサンドボックス

エージェントが実行するコマンドを、OSのサンドボックス機構(Linuxはnsjail、macOSはsandbox-exec、WindowsはAppContainer)の中に閉じ込める機能もあります。既定ではオフで、設定ファイルのenableTerminalSandbox、または起動フラグ--sandboxで有効化します。

Gemini CLIからの移行手順

ほとんどは初回起動時に自動インポートされる

公式の移行ガイドによれば、Antigravity CLIはGemini CLIの主要な設定体系と後方互換性を保っており、初回のagy起動時に一度だけレガシー設定の自動インポートが実行されます。旧extensions(拡張機能)もプラグインとして変換されます。

手動対応が必要なのは2箇所

自動で引き継がれない箇所として、公式の移行ガイドが明記しているのは次の2点です。

1. プロジェクト内スキルのフォルダ移動

置き場所 Gemini CLI Antigravity CLI
グローバル共有スキル ~/.gemini/skills/ ~/.gemini/antigravity-cli/skills/(自動)
ワークスペーススキル .gemini/skills/ .agents/skills/手動で移動

公式は「プロジェクトに.gemini/skills/のカスタムワークスペーススキルがある場合、.agents/skills/へ手動でフォルダを移動またはリネームする必要がある」と明記しています。

2. MCP設定のキー名変更

リモートMCPサーバーの定義で使っていたurlhttpUrlキーを、serverUrlへ書き換えます。

この2点を済ませれば、Gemini CLIで育てた設定資産はおおむねそのまま使えます。

Antigravity CLIはオープンソースではない

Gemini CLIとのもう1つの大きな違いがライセンスです。

Gemini CLI Antigravity CLI
ライセンス Apache-2.0(オープンソース) 表記なし
ソースコード 公開(TypeScript製) 非公開
GitHubリポジトリの中身 ソースコード一式 README・changelog・サンプルのみ

google-antigravity/antigravity-cliリポジトリにはドキュメントとリリースノートしか置かれておらず、ライセンス表記もありません(2026年8月12日にGitHub APIで確認)。ソースを読んで挙動を監査したり、フォークして改造したりはできない配布形態です。

日常利用で困る場面は少ないものの、オープンソースであることを理由にGemini CLIを選んでいた方には明確な変更点です。この点を重視する場合は、ツール選びの基準に含めて検討してください。

CLI・IDE・2.0はどう使い分ける?

冒頭の4サーフェス比較を、選び方の目線で整理し直します(出典:Google Cloud Blog「Choosing your surface」)。

  • ターミナルで完結させたい/SSH先やCIで動かしたい → Antigravity CLI(本記事)
  • エージェントの書いたコードを目で見て、1行ずつ承認したい → Antigravity IDE
  • 複数プロジェクトを並行で回したい。迷ったらまずこれ → Antigravity 2.0(公式のデフォルト推奨)

各サーフェスは設定・権限が自動で同期されます。また公式ドキュメントによれば、ターミナルで始めた会話が複雑になってきたらAntigravity 2.0へエクスポートして、視覚的なUIで続きを進めることもできます。CLIだけで完結させる必要はなく、行き来しながら使う前提の設計です。

デスクトップ版の導入と基本操作はAntigravity IDEの使い方で、画面表示を日本語にしたい方はAntigravityの日本語化で解説しています。

よくある質問(FAQ)

Q1. Antigravity CLIは無料で使えますか?残り枠はどこで見られますか?

無料プラン($0/月)から利用でき、CLI自体も全プラン共通の機能です。ただし「使い放題」ではなく、公式は無料枠に「基本的な週次レート上限」が付くと説明しており、上限の具体的な回数は公開されていません(2026年8月時点)。数値が非公開である以上、残り枠はCLIの表示で確かめるのが確実です。公式ドキュメントによれば、ステータスライン右側に残りのクレジット数が常時表示され、詳細は/credits、モデルごとのクォータは/usage(別名/quota)で確認できます。

Q2. インストールしたのに「agy: command not found」になります。

バイナリの配置先(macOS/Linuxは~/.local/bin、Windowsは%LOCALAPPDATA%\agy\bin)がシェルのPATHに入っていないのが典型的な原因です。macOS/Linuxではexport PATH="$HOME/.local/bin:$PATH"~/.bashrc~/.zshrcに追記して読み込み直します。Windowsではターミナルをいったん閉じて、新しいウィンドウで試してください。

Q3. Gemini CLIはもう使えないのですか?

2026年6月18日に、Gemini CLIとGemini Code Assist IDE拡張はGoogle AI Pro・Ultraおよび無料ユーザーへのリクエスト提供を終了しました。Gemini Code Assist StandardまたはEnterpriseライセンスを持つ組織は引き続き利用できます。個人ユーザーの乗り換え先はAntigravity CLIで、初回起動時には旧設定の自動インポートが用意されています。

Q4. Antigravity CLIとIDE、どちらを使えばいいですか?

公式の整理では、ターミナル作業やSSH・ヘッドレス実行が中心ならCLI、コードを直接見ながら変更を1行ずつ承認したいならIDE、複数プロジェクトの並行管理や迷った場合はAntigravity 2.0(公式のデフォルト推奨)です。どのサーフェスも同じエージェント基盤で動くため設定は同期され、会話をCLIから2.0へ引き継ぐこともできます。

Q5. Antigravity CLIはオープンソースですか?

オープンソースではありません。公式GitHubリポジトリにはREADME・changelog・サンプルのみが置かれ、ソースコードとライセンス表記がないことを2026年8月12日時点で確認しています。Apache-2.0で全ソースが公開されていたGemini CLIからの大きな変更点です。

まとめ|まずはagyを一度起動してみる

この記事の要点
  • Antigravity CLIはAntigravityの「ターミナル向けサーフェス」。起動コマンドはagy
  • インストールは公式スクリプト1行。npmは使わない(Go製バイナリ配布)
  • 無料プラン($0)から使えるが週次レート上限あり。具体的な回数は非公開
  • ルールファイルはGEMINI.mdまたはAGENTS.md。設定は~/.gemini/配下
  • Gemini CLIからの移行は、初回起動の自動インポート+手動2箇所(スキルのフォルダ移動・MCPのserverUrl)

Antigravity CLIは登場から約3ヶ月、月に何度も更新が入る発展途上のツールです。本記事は2026年8月12日時点(v1.1.12)の公式情報に基づいており、細部は今後変わる可能性があります。困ったときはセッション内の/helpと公式ドキュメントで現行仕様を確認する癖をつけておくと安心です。

エディタの中でAIと並走する形を試したい方はAntigravity IDEの使い方へ。AIコーディングエージェント同士を比較検討中の方は、Claude CodeとはClaude Codeの料金プランもあわせてどうぞ。